ART LIVES TORIDE ここで芸術が生まれる。

Sareena Sattapon

出身はタイです。今は東京藝術大学のグローバルアートプラクティス専攻で学んでいます。学士と修士のときから、アートを勉強し続けていて、映像、インスタレーション、ドローイングもしますが、パフォーマンスをすることが多いです。 

来年にはスウェーデンで展示があるので、今はその準備を進めているところです。前は作品を具体的にしていく作業が好きだったんですが、やればやるほど、なんだか重たくなってきていて。自分の頭のなかでどんなことでもできる、プランを練る時間が今は一番好きです。

父が美術の教師だったので、生まれたときからアートが身近にありました。知れば知るほど、自分でもつくりたいと思う気持ちが増していって。高校生のころは建築の勉強をするのもいいかなって思ったりもしましたが、今思うと、受け取る人に対して現実味のあるものをつくりたかったんですよね。自分が制作するものが、社会にとって意味のあるものになったらいいなって。

今、私が制作するものは、社会問題と関連しています。問題から作品が生まれるというよりは、私自身の体験からそこにつながっていくような感覚があります。

20歳のころ、すごく不安で、死んでしまうんじゃないかと思うほど落ち込んでいた時期があって。同じころ、なぜかわからないけれど両親がずっとケンカしていたんですね。世界の終わりが来たように感じていました。逃げないといけない、生き残らないといけない。そう思って、ノアの方舟をつくることにしたんです。

両親や周りの人にも手伝ってもらったものの、どうやったらいいのかは私も含めて誰もわかっていませんでした。ただただ、つくりたかった。近くの山に行って、岩や木をさがしてきて。とにかく試しながら、つくるしかありませんでした。

作品をつくることを通して、両親も私と同じような問題を抱えていたことに気がつきました。作品をつくりながら、両親、そして村のコミュニティに関わることを通して、社会への関心が強くなっていきました。

作品をつくることで誰かの視点を変えることができれば、世界を変えていけるかもしれないと思っています。芸術をいい方向に使うことで、世界はより良くなっていく。だから私は、社会問題に向き合いながら、作品をつくっていきたいんです。

たとえば、富裕層と貧困層、異なる種類の人たちのあいだにあるギャップ。私たちは、自分と違う人のことをすべて知っているわけではありません。違いがあることを受け入れることができれば、いい方に向かっていくと思うんですよね。

卒業したあとも、できれば日本に残りたいんです。日本が本当に好きなんですよ。特に日本の文化にハマって、若いころは漫画をたくさん読みました。実は、クレヨンしんちゃんのお母さん、みさえになりたいと思っていたこともあるんです。彼女、楽しそうじゃないですか。

え、みさえのことも記事に書くの?それ、おもしろいかも!私の友だちは、みんな知ってるくらい、みんなに言ってたことだから。