ART LIVES TORIDE ここで芸術が生まれる。

CAO XIAOTAI

出身は中国の青海省です。子どものころから家にたくさんの植物があって、水やりは私の役割でした。土や植物を触っていると活き活きしてくる。植物からエネルギーをもらえている気がして、ずっと植物に関わってきました。

北京林業大学で学んだあと、ランドスケープ・デザインや花のデザインを仕事にして6年ほど働きました。さらに1歩前に進もうとリサーチしているうちに、日本のフラワーアーティストの作品がすごく好きだということに気づいたんです。どうしたらそんな作品がつくれるのか関心を持って調べているなかで、日本に留学することに決まり、東京藝術大学のグローバルアートプラクティス専攻(GAP)を知って取手に来ました。

卒業して就職したものの、忙しすぎて続けることがむずかしくなってしまって。中国に帰ることも考えていたとき、GAPの助手のポジションに誘ってもらったんです。一緒に働く助手にはアーティストやキュレーターをしている人もいて、私自身も作品をつくりながら仕事をしています。この2年は働きながら、自分自身を見つめ直す機会にもなっています。

2022年度東京藝術大学卒業展修了作品「私はチューブになる」
藤、プラゴミ、ガラスなど
2023.02

学生として取手に引っ越してきたのはちょうどコロナの時期で、授業はすべてオンラインでした。取手のまちをよく歩くようになって、ここは自然が豊かで、いろいろな野草や野花が生えていることに気づきました。

気になったものを選んで、器やハサミ、自分の日常生活で使っているものと組み合わせてアレンジして。そうしてできた作品は、今、300枚ほどになりました。これが、地域と関わりながら作品をつくるようになった最初の作品だと思います。

写真作品シリーズ「花は私になる」
2020~2022

ガーデニングも好きですが、作品をつくるのとは感覚が違います。ガーデニングをしている間はなにも考えずに土を触っていて、瞑想のような作用もあります。土も植物も、毎日変化しているんですよね。すべてが過程で、そこに結果はありません。その過程のなかの一瞬を切り取って、自分の身体を通してなにか結果を出せるのだろうかと考えるのが、作品づくりのおもしろいところです。

同じ土でも、ガーデニングするときと、作品の素材として使うときとでは手触りが変わってきます。素材が多面性を持っているように、植物も、木も、虫も、人の考えも。すべてに多面性がある。それでも、命のあるものはいつかきっと土に戻る。そんなふうに考えている時間が好きなんです。

山王小学校小規模特認校連携プロジェクト2022年度前期プログラム「植物泥絵」
July 2022

取手に来たばかりのころ、スーパーで新ジャガを買ったらすごくおいしくて。実家では毎年、新しいジャガイモができたら、必ず家族みんなで集まって一緒に食べていたことを思い出しました。そんなふうに取手で暮らして、仕事をしながら作品をつくって。いろいろなバックグラウンドを持っている人たちと、さまざまな言語でコミュニケーションをとりながら活動しています。

令和7年度地域中核・特色ある研究大学強化促進事業企画「花・画・物」- 野花と絵のワークショップ
Photoed by Zialor Karyn, Aug 2025.

世界中で戦争が起きているけれど、私自身は中国人で、日本、取手というピースフルな場所にいられる。植物は、太陽の光を求めて競争することがあっても、お互いにいい関係を築いていきます。国や民族が違っていても、コミュニケーションをとって理解し合えれば、コラボレーションの環を広げていくことができる。国と国、違う民族。人類の歴史は戦ってばかりだけれど、人はいつか土に戻るから。私個人の作品が持っているコアコンセプトは、「みんな土に戻る」ということなのかなと、取手にいる5年でゆっくりわかってきた気がしています。

「クリエイティビティ いろんなかたち – Domain of Art 36東京藝術大学×さいたま市プラザノース」参展作品
「co-breath」
土、プラスチック、肥料、ファンなど
2026.02
山王小学校小規模特認校連携プロジェクト2022年度前期プログラム「植物泥絵」
July 2022